お通夜の流れをわかりやすく解説！準備・受付・焼香・通夜振る舞いまでの全手順

本記事では、お通夜の意味と葬式との違いを押さえつつ、受付→読経→焼香→閉式→通夜振る舞いまでの流れを時系列で解説。

参列者の香典の表書きと金額目安・服装・持ち物・言葉遣い、会社関係での配慮に加え、遺族側の会場準備・役割分担・僧侶対応、所要時間や日程の決め方まで丁寧にまとめました。
「初めてのお通夜に落ち着いて臨みたい方」「喪主・遺族として準備を漏れなく進めたい方」に、ぜひ最後まで読んでいただきたい内容です。

お通夜とは？意味と役割

お通夜の流れを時系列で解説

開式前の準備と受付

その後、受付係から席へ案内されます。着席の順序は、故人との関係が深い人は前列、一般の参列者は後方に座るのが一般的です。
また遺族やスタッフは、受付準備や参列者の誘導を円滑に行う必要があります。特に参列者が多い場合は、複数人で受付を担当し、香典の受け取りや名簿の整理をしておくと安心です。

開式から読経・焼香まで

式が始まると、まず僧侶による読経が行われます。これは故人の冥福を祈る大切な儀式であり、会場全体が静寂に包まれます。その後、参列者による焼香へと移ります。

という流れで行われるのが基本です。作法は宗派によって異なりますが、1〜3回香をつまみ、額に近づけてから香炉に入れるのが一般的です。姿勢や礼の仕方にも配慮し、静かに心を込めて行うことが求められます。
喪主や遺族は焼香の間に深く一礼をし、故人を悼む気持ちを示します。また僧侶への対応や進行確認も並行して行われるため、事前に役割を明確にしておくと安心です。

通夜振る舞い（会食の場）

閉式後には「通夜振る舞い」と呼ばれる会食が行われることがあります。これは参列者への感謝と故人の供養を兼ねた食事の場です。

• 食事中は静かにし、故人の思い出を語り合う
  
• 参加が難しい場合は「お先に失礼します」と一言添えて退席する
  

翌日の告別式に備えて早めに帰る参列者も多いため、参加は無理に強制されるものではありません。

次は、参列者として必要となる具体的なマナーや準備を確認していきましょう。

参列者が押さえておきたい準備とマナー

香典の金額相場と香典袋の表書き

香典は、故人との関係性によって金額の目安が異なります。

• 両親や兄弟姉妹など近親の場合は1万円〜5万円程度
  
• 祖父母や親戚は1万円〜3万円程度
  
• 友人や会社関係者は3千円〜1万円程度
  

表書きは仏式であれば「御香典」「御霊前」と書き、神式やキリスト教では「御玉串料」「御花料」とします。水引は黒白または双銀を用い、地域によっては黄白を使うケースもあります。

金額は無理のない範囲で用意し、袱紗に包んで持参するのが礼儀です。香典は受付で両手を添えて渡し、一言「このたびはご愁傷さまです」と伝えると丁寧です。

服装の基本マナー（喪服と平服の違い）

服装は、遺族側と参列者側で異なります。遺族や喪主は正式な喪服を着用するのが基本ですが、参列者の場合は略式喪服やダークスーツでも問題ありません。

• 男性は黒のスーツに白シャツ、黒ネクタイ、黒靴下、黒の靴
  
• 女性は黒のワンピースやスーツ、光沢のない黒のバッグや靴
  
• 子どもや学生は制服、なければ黒や紺など落ち着いた服装
  

アクセサリーは控えめにし、真珠など一連のネックレス程度にとどめるのが望ましいです。

持ち物の準備と必要な心構え

参列時に持っておくと安心なものは数珠・ハンカチ・袱紗です。数珠は宗派ごとに異なりますが、略式の数珠であれば問題ありません。ハンカチは黒や白など無地のものが望ましく、香典を入れる袱紗も必携です。

また、会場での言葉遣いや挨拶にも注意が必要です。「おめでとう」「楽しい」などの不適切な表現は避け、「このたびはご愁傷さまです」「お悔やみ申し上げます」といった弔辞を使うのが基本です。

友人や会社関係として参列する場合の注意

• 会社関係の場合、香典の金額は上司や同僚と事前に相談し、連名で出すことも多い
  
• 上司が参列する場合は、部下は上司の後に焼香するのが礼儀
  
• 友人として参列する場合は、遺族への配慮を第一にし、親しすぎる態度は控える
  

会社関係や友人としての参列では「遺族の負担を軽くする」姿勢が重要です。挨拶は簡潔に行い、参列後は速やかに着席することで場を乱さずに済みます。

ここまでで参列者の準備とマナーが整理できました。次は遺族側の立場から見たお通夜準備と当日の対応について解説していきます。

遺族が行うお通夜準備と当日の対応について

会場と祭壇の準備

遺族は、葬儀社と打ち合わせをしながら会場の準備を整えます。特に祭壇は故人を偲ぶ中心となるため、配置や見え方にも配慮が必要です。

• 遺影・位牌・供花の配置を決める
  
• 照明や花の色合いを整えて雰囲気を演出する
  
• 受付や控室を用意し、参列者が安心して移動できるようにする
  

さらに、高齢者や遠方からの参列者が休めるように椅子や控室を整え、冷暖房の調整をするなど細やかな気配りも欠かせません。こうした準備により、参列者が故人を偲ぶ時間に集中できる環境が整います。

受付・会計・案内係の役割分担

特に受付は最も混雑しやすい場面であるため、複数人で対応することが望ましいです。会計係は記録を間違えないよう丁寧に管理し、案内係はスタッフと連携して落ち着いた誘導を心がける必要があります。

僧侶への対応とお布施

また、遠方から来ていただいた僧侶には「御車料」や「御膳料」を用意することも一般的です。これらは地域や宗派によって金額の相場が異なるため、葬儀社のアドバイスを参考にすると安心です。僧侶への誠実な対応は、式全体の雰囲気を整えるうえでも重要です。

翌日の告別式に向けた準備

さらに、遠方から来ている親族の宿泊先や移動手段の確認も大切な準備です。これらを前日に整えておくことで、翌日の告別式を落ち着いて迎えることができます。

お通夜の所要時間と日程の目安

お通夜の所要時間の目安

お通夜の所要時間は、30分から1時間程度が一般的です。開式から閉式までを通しても比較的短時間で終わることが多く、参列者はその後の通夜振る舞いに参加するかどうかを選択します。規模が大きい場合や弔辞・弔電が多い場合には、1時間を超えることもあります。

日程の決まり方

お通夜は、故人が亡くなった翌日か翌々日に行われることが多く、地域や宗派によって日程調整が行われます。特に会社関係や遠方の親族が参列する場合には、葬儀社や僧侶との相談が欠かせません。会場の空き状況や僧侶の予定、火葬場の予約なども考慮しながら決定する流れとなります。

柔軟な調整の必要性

所要時間と日程には一定の目安がありますが、各家庭の事情や宗教的な習慣によって大きく変わることも少なくありません。そのため、事前に葬儀社へ相談しておくことがスムーズな進行の鍵となります。慌ただしい中でも余裕を持って準備が進められるよう、早めの確認を意識すると安心です。

まとめ

お通夜は、故人との最後の時間を過ごす大切な儀式であり、参列者にとっても遺族にとっても心を整える場となります。

• 参列者は、香典・服装・挨拶・焼香の作法などを事前に確認し、落ち着いて参列できるよう準備することが大切です。
  
• 遺族は、会場や祭壇の準備、受付や会計の分担、僧侶への対応など多くの役割を担います。葬儀社やスタッフと連携し、滞りなく進めることが求められます。
  
• 所要時間は30分〜1時間程度が目安ですが、日程や流れは宗派・地域・家庭の事情によって柔軟に調整されます。

お通夜の流れを理解しておくことで、初めて参列する方でも安心して臨むことができます。大切なのは、形式にとらわれすぎず、故人を偲ぶ気持ちを込めて参列することです。